週刊キャプロア出版(第7号): 村上春樹
¥300
ノーベル文学賞の発表のニュースのたびに思う。
新作が出るたびに本屋に行列ができるニュースを見て思う。
やれやれ。村上春樹だよ。
ハルキストも。
アンチハルキストも。
一冊しか読んでない人も。
ニュースしか見てない人も。
日本人がいちばん話題にする作家「村上春樹」を勝手に総括してみたい。
そして、あの高校2年生の夏を、永遠に葬りたい。
説明
やれやれ。村上春樹だよ。
長嶋くんではなく「長嶌くん」。
出席番号がひとつ前の「長嶌くん」。
「風の歌を聴け」を読めと勧めた張本人である。
「長嶌くん」は、不思議な奴だった。ステレオも自作。聞いている音楽は、全部、洋楽。せいぜい山下達郎のワタシには、異次元の民度だった。そんな奴から勧められた村上春樹である。当時、太宰治や大江健三郎にかぶれていた。いや、かぶれているというよりは、そんなものを読んで文学青年を気取っていたワタシには、衝撃的だった。
直ぐに入水自殺したり、障害ある息子を抱えたり、めっちゃ貧乏だったり、そういう実体験がなくても「小説」が書けるかもしれない!?と、はじめて感じた。ワタシでも、小説が書けるかもしれない!?というアホな錯覚こそ、村上春樹の功罪である。
いつも主人公が、切羽詰まっているようで、全然深刻じゃない。そういうことが文学になるという手応えは、なーんもないワタシには、一縷の光明となった。「自由の中の不自由程度」の軽やかさは、なーんも考えていないワタシを、活字の世界に引き込んで行った。
そのおかげで、大学5年間を棒に振った。
広告業界に入るキッカケもそこ。
あの17歳の夏がなかったら、いまのワタシはない。
でも、いつからだろう!? 村上春樹を、読まなくなった。独立起業してから一切読んでいない。どうでもよくなった。自由も、不自由も、自分の裁量でなんとかなるようになって、村上春樹の小説の主人公は、どうでもよくなった。
「長嶌くん」とは、音信不通である。
高校の同窓名簿で行方知れずになっている。
自称ハルキストの人妻との不倫は、びっくりするくらい虚無である。
ノーベル文学賞の発表のニュースのたびに思う。
新作が出るたびに本屋に行列ができるニュースを見て思う。
やれやれ。村上春樹だよ。
ハルキストも。
アンチハルキストも。
一冊しか読んでない人も。
ニュースしか見てない人も。
日本人がいちばん話題にする作家「村上春樹」を勝手に総括してみたい。
そして、あの高校2年生の夏を、永遠に葬りたい。
週刊キャプロア出版とは?
書籍情報
形式: Kindle版
登録情報
- ASIN : B07F1XPXKN
- 発売日 : 2018/6/25
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 5.0 MB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効にされていません
- Word Wise : 有効にされていません
- 本の長さ : 154ページ
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